心理学の研究をしています。
主に,パーソナリティ心理学,社会心理学,犯罪心理学のテーマを扱い,進化心理学的アプローチを試みています。
具体的には,配偶戦略,身体魅力,Dark Triad(サイコパシー/サイコパス),親密なパートナーへの暴力 (intimate partner violence: IPV; DVやデートバイオレンス・ハラスメントを含む),プロファイリングに関する研究をしています。
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進化心理学的に様々な心理的メカニズムを明らかにしたいと考えております。特に,身体的魅力,配偶戦略,Dark Triad傾向 (サイコパシー傾向,ナルシシズム傾向,マキャベリアニズム傾向),犯罪行動としての親密なパートナーへの暴力 (DV,デーティングバイオレンス・ハラスメント,IPV),プロファイリングについての研究を行っております。
身体的魅力は配偶戦略の文脈において重要であることが指摘されています。そして,身体的魅力が高いほど,その個体が健康で生殖能力が高いと考えられています。しかし,その個体の属する環境によって,健康・生殖能力の優先度が異なり,したがって魅力的な身体的特徴も異なります。そもそも,どのような身体的特徴が魅力的であるのか,また,どのような環境・状況においてどのような身体的特徴が魅力的であるのかを明らかにしたいと考えております。また,Dark Triad傾向の高い人物は,雰囲気などが魅力的であることが指摘されています。“魅力的な人物”の条件として身体的魅力が考えられ,もしかしたらDark Triad傾向を持つ人物は身体的にも魅力的である可能性があります。そして,Dark Triad傾向に代表されるような一貫した利己的行動は,ある状況においては適応的であるかもしれません。これらのことから,Dark Triad傾向も進化的適応によって形成されたメカニズムである可能性が指摘されており,特に配偶戦略においてこの傾向が有利になる状況が存在すると言われています。私の一連の研究では,身体的魅力・配偶戦略と,パーソナリティの1つとしてDark Triad傾向との関連を明らかにしたいと考えております。さらに,これらを発展させ,DV,デーティングバイオレンス・ハラスメントや,これを包含する親密なパートナーへの暴力 (Intimate Partner Violence: IPV) など様々な犯罪行動に関して説明ができる可能性があります。犯罪行動を実行すること,もしくはされても関係を続けることなどを,コストとベネフィットといった進化心理学的観点から明らかにし,また,プロファイリングなどにも応用していけたらと考えております。
人間の認知メカニズムや行動パタンは,進化的適応によって形成されたと考える立場から,様々な心理的現象を明らかにしようとする心理学の領域です。私の研究はこれに基づいております。
配偶は,子孫を残すためには配偶が不可欠であるため,進化心理学的にとても重要な研究テーマです。また,人や状況によってどのような配偶戦略が最も有効かが異なります。配偶戦略に関して,身体的魅力やパーソナリティ (Dark Triad) の観点から研究を進めております。
配偶に関連する要素として,身体魅力は一般的な認識よりも重要です (残念ながら)。恋愛や結婚において美女・イケメンかどうか,収入・職業はどうか,などは考慮してしまいますよね (不本意かもしれませんが)。そのような交際における意思決定に関する様々な要素の中でも,身体的魅力の重要度はかなり多くの割合を占めることがわかっています。どのような身体的特徴が魅力的なのか,また,どんな時にどのような身体的特徴が魅力的であると判断されるのでしょうか。
社会的に望ましくない3大パーソナリティとして,サイコパシー,ナルシシズム,マキャベリアニズムが挙げられ,これらは自己中心的で他者操作的,かつ共感性の欠如などが共通した特徴とされています。これらの集合体として,"Dark Triad" と言う概念が提唱され,研究が進められています。Dark Triadは,協同を重視する我々人間社会にとっては望ましくなくても,進化的には有利な側面があるのかもしれません。
ドメスティック・バイオレンス (DV) は婚姻関係が前提としてなければなりませんが,実際には交際中のカップル,特に大学生やそれ以前の年代でも見られる現象です。これらはデートバイオレンス (やそのレベルまで至らないハラスメント) と言われますが,本質はDVと同様です。そのためこれらをまとめて親密なパートナーへの暴力 (IPV) という概念として研究が進められています。進化的にも,IPVは配偶者を逃さないための方略の一つである可能性が指摘されています。
テレビのプロファイラーは現場から犯人の心理やパーソナリティを特定するかっこいい役柄で描かれますが,現実ではこのような側面よりも,実際の行動などに焦点を当てます。また,プロファイリングは "犯人の心を読む" のではなく,過去の事件データをひたすら収集し,犯人が使った凶器などを地道にコード化して犯行行動の確率を算出する式を作る,という方法が用いられます。つまり,プロファイリングは実は,地道な粘り強い作業によって成り立っているのです (笑)